ビジネスマンのための家庭運営必読書「イノベーション・オブ・ライフ」

家庭運営
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世の中には一生かかっても読みきれないくらい多くのビジネス書、自己啓発書が出ています。

みなさんもタイトルや表紙、帯の推薦文を見て衝動買いし、積ん読になっているものが何冊もあるのではないでしょうか。

しかし、これだけ多くのビジネス書、自己啓発書があるにもかかわらず、家庭をうまく運営するための書籍はあまり多く出ていません。

そこで、ビジネス感覚を取り入れて家庭の運営をしたい方にお薦めの一冊をご紹介します。

それが「イノベーション・オブ・ライフ」です。英語タイトルは「How will you measure your life?」(自分の人生を評価するものさしは何か?)。

著者は「イノベーションのジレンマ」で著名なハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授です。

彼のハーバードでの最終講義および論文の内容に加筆されて書籍として販売されています。

公開されている同名タイトルの論文は、ハーバード・ビジネス・スクールで最高のダウンロード数になっているようです。日本語版は、2012年12月に発売されています。

公開からかなりの時間が経過していますが、良書は時間が経っても良書であり続け、いまも私たちにたくさんの示唆を与えてくれます。

なぜビジネススクールの教授が人生について書いたのか

この書籍の初めの部分、「序講」で以下のように書かれています。

同級生にはマッキンゼーやゴールドマン・サックスといった、名だたるコンサルティング会社や金融機関の役員を務める人もいれば、フォーチュン五〇〇のトップに上り詰めようという人もいた。

起業家としてすでに名をなしている人もいれば、人生が変わるほどの大金を稼いでいる人もいた。

しかし職業人としてこれほどの功績を収めながらも、明らかに不幸せな人たちが多くいた

(中略)

満たされない私生活、家庭の崩壊、仕事上の葛藤、そして犯罪行為―こうした問題に苦しんでいたのは、HBSの同級生だけではない。

ローズ奨学生として、ともにオックスフォード大学に留学した同級生にも、同じことが起きていた。

(中略)

一人は『ウォール街悪の巣窟』(ダイヤモンド社)という本に取り上げられたとおり、大きなスキャンダルに発展したインサイダー取引で、中心的な役割を果たした。別の一人は自分の選挙運動を手伝っていた一〇代の少女と性的関係をもったことで、監獄行きになった。

彼は当時結婚していて、子どもが三人いた。

公私ともに成功するよう生まれついていると思われていた彼らが、どちらでも苦労し、離婚をくり返していた。

断じて言うが、彼らのうちのだれ一人として、離婚するため、子どもと疎遠になるため、ましてや刑務所に入るための意図的戦略をもって卒業したはずがない

それなのに、驚くほど多くの同級生が、まさにこのとおりの戦略を実行に移してしまったのだ。

非凡な才能と優秀な成績で世界に大きく貢献することを期待されていたクレイトン教授同級生たちの一部が、ビジネスでは大成功を収めているにもかかわらず、人生で大失敗をしていることを知りました。

それを事実として捉え、どのようにすれば、人生を謳歌できるようになるのか、大学教授として理論的に示し、再現性のある形で方法論を提供したかったようです。

どういう人に読んでいただきたいか

この本では、以下の問いへの回答となる内容について書かれています。

・どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?
・どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、ゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?
・どうすれば誠実な人生を送り、罪人にならずにいられるだろう?

これらの問いに対してクリステンセン教授は、「理論」を示してくれています。多くはビジネスすなわち経営戦略の文脈で語られるものです。

事業を拡大していく、会社組織を経営していくには、経験だけでなく理論やノウハウも大切です。

明らかに分かっている失敗を回避するために、先人の失敗や成功を糧にするのです。

そしてそれは、自分や周りの人の人生、または友人や家族とうまくやることでも同じことだとクリステンセン教授は書いています。

つまり、子育てのプロになるために何十人も子どもを産むのではなく、または家庭運営のプロになるために何度も結婚と離婚を繰り返すのではなく、回避できる失敗は先人から学ぶ、すなわち「理論」を自分に応用してよりよい人生を送りましょう、ということです。

腹落ちする理論

本で紹介されている理論ですが、多くの自己啓発書やビジネス書のように著者の経験、著者が相手にしてきた顧客の経験を元に書かれたものではありません。

正式な論文として公開されているもので、かつ世界中で検証されているものです。

本書で紹介する理論は、人間の営みに対する深い理解―「何が、何を、なぜ引き起こすのか」―に支えられており、また、世界中の組織によって徹底的に検証、活用されてきた。これら理論は、わたしたちの日々の決定にも指針を与えてくれる。

この理論はとても腹落ちするものです。すぐに理解できるというわけではないのですが、おそらく読む時の人生のフェーズに応じて違う説得力があります。

私は2013年に初めてこれを読みましたが、理解はできるが、応用できない理論もありました。しかし、その多くは納得感のある理論です。

各理論をより詳しく説明するためにクリステンセン教授ご本人、または周囲の方のご経験を例示しているのですが、例示されている内容は時々理解できない場合があります。おそらくそれを支える背景や文化、習慣が違うためだと思いますが、それでも理論を理解すれば、自分たちの身の回りでも起きているということを直感的にわかります。

ぜひ一度お手にとってお読みください!

※引用部分は全て書籍からの引用です。
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